基礎知識

米国株の為替差損益とは。配当や売買で発生する仕組み

米ドルを取得したときと使ったときの円換算額の差として生じる為替差損益を、取引の種類ごとに整理します。計算に必要な記録も紹介します。

目次
  1. 為替差損益に関わる取引
  2. 米ドルの取得単価
  3. 計算の例
  4. 20万円との関係
  5. 用意する記録
  6. 本サービスでの計算

「配当は米ドルのまま持っていて円に戻していないから、税金の計算はまだ関係ない」と思っている方は多いと思います。実際には、米ドルを取得したときと使ったときの円換算額の差が為替差損益として雑所得になり、米ドルで株を買った場合も対象です。この記事では、為替差損益に関わる取引、米ドルの取得単価の考え方、計算の例、用意する記録を順に整理します。為替差損益は米ドルに限らず外貨全般に生じますが、本サービスの対象に合わせて米国株と米ドルの例で説明します。

為替差損益に関わる取引

為替差損益は、外貨を取得したときの円換算額と、その外貨を手放したときの円換算額との差です。取得した時点では損益は生じず、取得単価が決まるだけです。損益はその外貨を使ったときに確定します。米国株の取引では、米ドルを次のように取得し、使います。

米ドルを取得する取引

  • 円を米ドルに両替する
  • 米国株を売却し、代金を米ドルで受け取る
  • 配当や分配金を米ドルで受け取る

米ドルを使う取引

  • 米ドルで米国株を買う
  • 米ドルを円に両替する
  • ADR の管理手数料など、米ドル建ての費用が引き落とされる

国税庁の質疑応答事例では、外貨をほかの資産に替えたときに為替差損益を認識する考え方が示されています。米ドルで株を買う取引もこれに当たるため、円に戻していなくても為替差損益の計算の対象になります。

米ドルの取得単価

取得のたびに円換算のレートが違うため、手元の米ドル全体の平均的な取得単価を求めて使います。本サービスでは総平均法に準ずる方法を用います。円から両替した米ドルは実際に支払った円額を、配当や売却代金のように円のやり取りがない取得は、受け取った米ドル × 米ドルが動いた日(配当は入金日、売却代金は受渡日)の TTM を取得原価とします。詳しくは米ドルの取得単価を求める方法とは(総平均法に準ずる方法)をご覧ください。

計算の例

次の数値はダミーです。

日付 取引 米ドル 円換算
2025/03/10 両替で取得 1,000.00 150,000
2025/06/30 配当で取得 200.00 28,800
2025/09/12 株の購入に使用 600.00 88,200

平均取得単価は 178,800円 ÷ 1,200.00ドル = 149.00円です。9月12日に使った 600.00ドルの取得原価は 89,400円、使った日の円換算額は 88,200円(TTM 147.00円)のため、この取引の為替差損益は差損 1,200円です。

20万円との関係

給与所得者で、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下の場合、原則として確定申告をしなくてよいという取扱いがあります(国税庁 タックスアンサー No.1900)。為替差損益は雑所得に区分され、この「給与以外の所得」に含めて計算します。医療費控除や外国税額控除などで確定申告をする場合は金額にかかわらず対象になるなど、当てはまらない場合は20万円ルールと為替差損益で説明しています。

用意する記録

  1. SBI証券の外貨入出金明細
  2. SBI証券の約定履歴(前年12月1日から。米ドルが動くのは受渡日なので、前年12月に約定して1月に受け渡された取引を含めるためです)
  3. ドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)の外貨預金・円預金の明細(任意)

取得の手順はCSVの取得方法のガイドにまとめています。

本サービスでの計算

CSVを投入すると取引を自動で分類し、判断が必要な箇所だけを「確認」のステップで選んでいただきます。差益・差損の範囲は無料で表示し、1行ずつの計算根拠は明細台帳PDFに記載します。

出典

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本記事は一般的な情報の提供を目的とするもので、税務相談や個別の適法性判断ではありません。本サービスは入力データに基づき機械的に計算するものです。監修なし